武道ライター山里栄樹のブログ

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山里、卒業ソングを語る

 ハッキリとしない天気の続く梅雨時、疫病の災禍も去らぬまま今年も夏を迎えるのでありますな‥

  さて、今回は卒業ソングについて小生の思うところを語ってみたいと思います。

 一昨年より、コロナ禍によって学校では恒例の学校行事がごく普通に行えないという状況が続いております。児童や生徒たちにとって人生の節目となる入学式と卒業式が当たり前に行えないという現況を考えると、親世代の小生は誠に心が痛むのでありますな‥ 特に卒業式の思い出は“一生の宝物”なのであり、人間の成長の礎の一つなのでもあります。

   昭和に生まれ学業を終えた小生、卒業式の歌といえば唱歌仰げば尊し』であります。明治17年に発表された日本の唱歌のひとつで、明治から昭和にかけて学校の卒業式で広く歌われ親しまれてきました。原曲はスコットランド民謡という説をはじめ諸説ありますが、愛情を注いで教え導てくれた師への感謝が歌詞に綴られております。卒業式が学校での最後の徳育の場であるということが感じられますな。

 さらに、昭和世代の卒業ソングとして親しまれてきたものに荒井由実の楽曲『卒業写真』があります。歌詞は、卒業してしばらくたってから卒業写真を見て、あの時のことを懐かしく思い出すという構成なのであります。ユーミンの楽曲のなかで卒業の思い出を回想する時に欠かせない卒業ソングの名曲であり、昭和から平成へと世代を越えて歌い継がれておりますな~

www.youtube.com  唱歌仰げば尊し』昭和世代の卒業式といえばこの曲

 

www.youtube.com  荒井由実『卒業写真』卒業ソングといえばユーミンのこの曲 

  平成生まれの若年世代では、卒業式にみんなで歌う曲と言えば合唱曲『旅立ちの日に』なのであります。この合唱曲は、平成3年に埼玉県の秩父市立影森中学校の教員によって作られ、作詞は当時の校長であった小嶋登氏、作曲は音楽教諭の坂本浩美氏(現・高橋浩美)とのことです。当初は影森中学校の卒業式で歌われていたものが、いつしか全国の学校卒業式で歌われる定番曲となりました。一説には、2007年にSMAPが出演したCMソングに起用されたことで一挙に普及拡大したともいわれております。まさに平成生まれの卒業ソングなのでありますな~

 さらに、平成世代の卒業ソングと言えば森山直太朗の楽曲『さくら』であります。「僕らは、きっと待っている♪君とまた会う日々を♪さくら並木の道の上で、手を振り叫ぶよ♪」と、透き通るような歌声での独唱には日本人の魂が震えだしますな~ 

 この歌を聴くたびに五分咲きの桜並木の道のなかを卒業証書を手にした卒業生たちが母校を巣立っていく光景が想い描かれていきます。「花は桜木、人は武士」、日本人にとって春に咲く桜は人の出会いと別れを象徴する特別の花なのであります。そして、満開の桜並木の道のなかを真新しい制服に身を包んだ新入生たちが入学式へ参列しに来るのでありますな~

www.youtube.com   合唱曲『旅立ちの日に』 平成世代の卒業式は皆でこの曲を歌う

 

www.youtube.com  森山直太朗『さくら』 若年世代の卒業ソングと言えばこの曲 

  ここ数年、東北地方の中学校の卒業式では合唱曲『群青』が歌われております。

 東日本大震災で街が甚大な被害を受けた福島県南相馬市立小高中学校の音楽教諭の小田美樹氏によって作曲された合唱曲で、作詞は小高中学校平成24年度卒業生たちです。

  震災が発災した2011年3月11日は、小高中学校で卒業式が行はわれ、その数時間後の14時46分に東日本大震災が発生します。津波によって小高の街は甚大な被害を受け、小高中の生徒4名が犠牲になってしまいました。さらに福島第一原発事故により警戒区域に指定されたことから小高中学校も小高区外に避難することになりました。そして生徒のほとんどが小高中学校を離れ、全国に散り散りとなってしまいました。

『群青』という題名は、小高中学校の校歌の歌詞や文化祭の「群青祭」など小高中を象徴する言葉であることから名づけられたとのこです。

 小生、以前から合唱コンクールの動画でこの曲が特に気に入っていましたが、このエピソードを知って深く感慨に浸り思わず涙腺が緩んでしまいました。「またねと、手を振るけど、明日も会えるのかな‥」とい歌詞に小生は涙ぐんでしまいます。怖くて、不安で、悲しくて、寂しくて‥それでも皆と一緒に笑顔で卒業しようという中学生たちの健気で純粋な思いが歌詞に綴られていて、小生は卒業ソングの奥深さと大切さを肌で感じさせられました。

www.youtube.com   合唱曲『群青』 この曲が作られた背景は東日本大震災だった

 

 

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